・戦争を伝える/平和を考える本

2009年11月10日 (火)

『もっとおおきなたいほうを』

久しぶりに絵本の紹介をします。 「こどものとも」2003年11月号として出版され、とても人気にあった絵本がようやくハードカバー化されました。

もっとおおきな たいほうを (こどものとも絵本) Book もっとおおきな たいほうを (こどものとも絵本)

著者:二見正直
販売元:福音館書店
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大砲が大好きで打ちたくて仕方なかった王様と、キツネが大砲の大きさを競い合うおはなし。ページをめくるたびにどんどん大砲が大きくなっていく楽しさ・・・。さらに争いはエスカレートし・・・。オチも面白いし、楽しんで読んでいるうちに、争うことの愚かさも子供にも伝わるはず・・・。

争っている最中の王様やキツネの表情も楽しいです。キツネの大砲の下にはオチのヒントとなるあるものが描かれてます。絵本なので、表紙から裏表紙まで「読む」ところがいっぱい。全部読んで完結です。

以前、小学校の昼休みの読み聞かせ(主に低学年対象)で読んだことがありますが、とても好評でした。季節に関係なく読める絵本なので、読み聞かせの活動などなさっている方は1冊持っておいて損のない絵本だと思います。

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2009年7月11日 (土)

『彼の手は語りつぐ』

以前からインパクトのある表紙が気になっていたのですが、図書館の棚の目立つところに展示されていたので、借りて読んでみました。

彼の手は語りつぐ Book 彼の手は語りつぐ

著者:パトリシア ポラッコ
販売元:あすなろ書房
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この物語は1861年から65年まで行われたアメリカの南北戦争で北軍の兵士として戦った黒人少年ピンクス・エイリーを後の人に伝えるために描かれました。ピンクが助けた北軍の兵士で白人少年のセイの子孫が、収容所で殺されてしまったピンクのことを130年間も5代にわたって語りついできたのです・・・。

表紙の絵は、収容所でピンクとセイが引き裂かれようとしながらもしっかりと握手をしているところです。原題は”PINK AND SAY” なのですが、『彼の手は語りつぐ』としたあたりは翻訳者(千葉茂樹氏)のセンスですよね。2009年、黒人初めてのアメリカ大統領が誕生したことをセイやピンクが知ったら、何を思うでしょうか・・・・?

(自分で読むなら、小学高学年あたりからがお薦めかと思います。)

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2009年1月19日 (月)

『はしれ、きかんしゃちからあし』

図書館の新着本から。

はしれ、きかんしゃちからあし (日本傑作絵本シリーズ) Book はしれ、きかんしゃちからあし (日本傑作絵本シリーズ)

著者:小風 さち 文 藍澤ミミ子 絵
販売元:福音館書店
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力もちの蒸気機関車「ちからあし」は働くことが喜びだったのに、戦争に巻き込まれ武器を運ばせられ、友達の機関車を空襲で失います。終戦時には疲れきっていましたが、人々の求めに応じて走り続け、人々の生きる力にもなりました。しかし時代は進み、蒸気機関車は都会を走れなくなりました・・・。ある日、ちからあしが向かった先は・・・・。

戦前、戦中、戦後と劇的な時代の変化を生き抜いた「ちからあし」。まるで人の一生のような・・・。30代半ばで木版画を始めたという藍澤ミミ子さん(1933年生まれ)の初めての絵本作品はとても力強くて、蒸気機関車への深い思いを感じました。子風さちさんの文章のうまさはもちろんですが、様々な場面での機関車の擬音語が巧みで情景がリアルに感じられました。

乗り物好きの男の子をはじめ、子どもには子供の、大人には大人の味わいのできる魅力的な絵本だと思います。

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2008年8月25日 (月)

26日はH・A・レイ氏の命日

夕刊の「明日は何の日」によると8月26日は好奇心旺盛なひとまねこざる(じょーじ)シリーズで知られるH・A・レイ氏の命日(1977年逝去)なのだそうです。

レイ氏はドイツ生まれのユダヤ人。パリで共作者の奥さん(マーガレット)と創作活動を始めたが、ナチスドイツがフランス侵攻。パリ陥落の日にのちにアメリカで"Curious George"となる原画を持って自転車でパリを脱出する・・・・という旨の新聞記事を読んで思い出したのが、

戦争をくぐりぬけたおさるのジョージ―作者レイ夫妻の長い旅 (大型絵本) Book 戦争をくぐりぬけたおさるのジョージ―作者レイ夫妻の長い旅 (大型絵本)

著者:アラン ドラモンド,ルイーズ ボーデン
販売元:岩波書店
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です。この本については以前に紹介しているのですが、今も子供たちに大人気のおさるのジョージが、レイ夫妻の奇跡のような逃避行を経て出版されたということを皆さんにも知っていただきたくて、今回もう一度紹介しました(前回の記事へ)。

絵本の方もいくつか載せておきましょう。

Curious George (Curious George (Level 1)) Book Curious George (Curious George (Level 1))

著者:H. A. Rey
販売元:Houghton Mifflin (Jp)
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ひとまねこざるときいろいぼうし (岩波の子どもの本) Book ひとまねこざるときいろいぼうし (岩波の子どもの本)

著者:H.A.レイ,光吉 夏弥
販売元:岩波書店
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じてんしゃにのるひとまねこざる Book じてんしゃにのるひとまねこざる

著者:H.A.レイ,光吉 夏弥
販売元:岩波書店
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ひとまねこざるびょういんへいく (岩波の子どもの本) Book ひとまねこざるびょういんへいく (岩波の子どもの本)

著者:マーガレット・レイ,H.A.レイ,光吉 夏弥
販売元:岩波書店
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調べていたら、パリから夫妻と運命を共にしたオリジナル原画を複製した絵本も出版されていました。

ひとまねこざるときいろいぼうし―オリジナル原画版 Book ひとまねこざるときいろいぼうし―オリジナル原画版

著者:H.A.レイ,光吉 夏弥
販売元:岩波書店
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2008年6月12日 (木)

『絵本アンネ・フランク』

昨日の夕刊で知ったのですが、今日はアンネ・フランクの誕生日なのだそうです。1929年6月12日誕生。そして、父親がプレゼントした日記帳に日記を書き始めたのも13歳の誕生日の42年の今日なのだとか・・・。

絵本 アンネ・フランク Book 絵本 アンネ・フランク

著者:アンジェラ バレット,ジョゼフィーン プール
販売元:あすなろ書房
Amazon.co.jpで詳細を確認する

以前に立ち読みしただけなのですが、色調を抑えた絵が当時の重苦しい空気を伝えているというか・・・・、一度読んだだけなのにずしっと心に残った絵本なので、戦争を伝える絵本のカテゴリーにに入れておきたくて記事にしました。

(アンネは13歳の7月から隠れ家にこもり息を殺したような生活をゲシュタポに見つかるまでの2年もの間続け、45年の2月末から3月初め頃強制収容所でチフスにより亡くなりました・・・。)

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2008年5月23日 (金)

『ぼくがラーメンたべてるとき』

第13回絵本賞受賞作品ということもあり、評判の絵本。読んでみたくて図書館で予約をかけてもちっとも順番が回ってこない・・・と思っていたら先日書店で出合い、立ち読み^_^;することができました。

ぼくがラーメンたべてるとき Book ぼくがラーメンたべてるとき

著者:長谷川 義史
販売元:教育画劇
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ぼくがラーメンを食べている時、となりのミケがあくびをした。となりのミケがあくびをしたとき・・・・と 隣の町、隣の国、もっとむこうの国と、地球の上で同じ瞬間に起こっていることがどんどん繋がっていきます。

ぼくがラーメンを食べているとき、食べ物がなくておなかを減らしている子供もいれば、戦争に巻き込まれている子供もいるわけで・・・・。何気ない日常を描きながら世界に目を向けさせてくれる絵本だと感じました。いつもの長谷川さんの絵本には見られない色彩のページもあってちょっと衝撃も受けました。(詳しくはAmazonのサイトで出版社のコメントなどをお読みください。)

文字は少ないのですが、描かれている絵から状況を判断できるのは、小学校中・高学年あたりからでしょうか? 幼稚園くらいの小さいお子さんにはあまり向いていないように思います。家庭で読むというよりは、限られた時間の中で読まないといけない小学校高学年での読み聞かせなどに向いている本かもしれません。中学生以上の方にもお薦めです。

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2008年5月14日 (水)

50,000ヒット!/ 『もっとおおきなたいほうを』

昨日、このブログのカウンターが50,000を超えました。ブログの開設から二年三ヶ月、たくさんの方に訪問していただきとても嬉しいです。(コメントや応援クリックをいただけるともっと嬉しいです^_^;) 今後ともよろしくお願いします!

また、次男への「おやすみ前の絵本」のPCのマイドキュメントから発掘作業ですが、04年6月と04年7月分が済みました。といっても、当時小学3年生の次男へ就寝前に絵本を読むことはほとんどなく、マイドキュメント内の当時の日記から、絵本に関係のある記事を転載したといった感じですが・・・。今回掲載した中でお薦めなのが、
『もっとおおきなたいほうを』 こどものとも2003年11月号 二見正直・作 福音館書店
大砲の大好きな王様と狐が大砲の大きさを競い合う。ページをめくるたびにどんどん大砲が大きくなっていく楽しさ・・・。オチも面白いし、争うことの愚かさも、子供にも伝わるはず・・・。
です。お話会で読んでとても好評でした。早くハードカバーで出版されればよいのにと思いますが、それまでは図書館などで探してみてくださいね。

バックナンバー04年6月へ 04年7月へ。(「おやすみ前の絵本」の記事全体は、左サイドのカテゴリー「おやすみ前の絵本(我が家の記録)」からご覧いただけます。記事が多くなり少し重くなっています<m(__)m>)

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2008年5月 3日 (土)

『子どもにつたえる日本国憲法』

今日は憲法記念日。ゴールデン・ウィークとして一まとめで認識しがちですが、「日本国憲法の施行を記念し、国の成長を期する」ことを趣旨としている祝日です。61年前(1947年)の今日、日本国憲法が施行されました

1年前の今頃は、今にも改憲に動きそうでとても怖かった記憶がありますが、今は医療費や年金や景気の悪さや生活に直結する問題が山積みで、改憲の話題が出ることもなくなりましたねえ・・・(ホッ)。

今日紹介するのは、憲法の大切さを子供に伝える絵本です。日本国憲法の基本的な考え方がわかりやすくかかれていて、オトナの方にもお薦めです。(いわさきちひろの絵もたっぷり使われていています。)

井上ひさしの 子どもにつたえる日本国憲法 (シリーズ 子どもたちの未来のために) Book 井上ひさしの 子どもにつたえる日本国憲法 (シリーズ 子どもたちの未来のために)

著者:井上 ひさし
販売元:講談社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

「憲法の大切さを子どもたちに伝えたい」作家・井上ひさしの新しい試み。「絵本 憲法のこころ」―平和憲法の精神を表している「前文」と「第九条」を、井上ひさしが子どもにも読める言葉に「翻訳」。いわさきちひろの絵とともに、憲法に書いてあることを、心で感じる絵本。「お話 憲法って、つまりこういうこと」―日本国憲法のもとになっている考え方、重要な条文の内容、そして、なぜ憲法をかんたんに変えてはいけないのか?井上ひさしが、実際に小学生に向かって話した内容を再録。 (「BOOK」データベースより)

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2007年8月16日 (木)

O(オー)じいさんのチェロ

戦争にまつわる絵本をもう1冊紹介します。(といっても、すでに楽器の絵本としてHPに掲載してあるものの転載ですが。少しずつHPからブログへ記事を引越しさせていくいくつもりです・・・。)

Oじいさんのチェロ (あかね・新えほんシリーズ) Book Oじいさんのチェロ (あかね・新えほんシリーズ)

著者:グレッグ コーチ,ジェーン カトラー  タケカワユキヒデ訳
販売元:あかね書房
Amazon.co.jpで詳細を確認する

わたしの町は戦争にまきこまれている。男の人はみな戦いに行き、町にいるのは子供と女の人と老人と病気の人だけ。水曜の午後四時、トラックで配給があり、みんなが広場に集まるので、それがわたしたちの唯一の楽しみ。

でもある日、広場のトラックにロケット弾が落ち、危険な広場には集まれなくなった。そのあと、気難しいと思っていたO(オー)じいさんが命を張って、広場でチェロを弾いてくれるようになった。かつて高名なチェロ奏者だったOじいさんのすてきな演奏は、わたしたちに生きる勇気をくれた。が、・・・・。

女の子の目線で見た、戦争の恐さ、惨めさ、不便さ、寂しさや戦争への怒りなどが描かれていて、戦争をしてはいけないということが子供にも伝わるはず。そして、そんな中でも人に生きる勇気を与える音楽の力も感じるはずです。ぜひ読んでみてください。

★15日にこのブログのカウンターが30000を超えました。皆様のご訪問に感謝します。これからもどうぞご贔屓によろしくお願いします。

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2007年8月15日 (水)

『サルビルサ』

スズキコージズキン展の記事のあとには、スズキさんの絵本をいくつか紹介しようと思っていたのですが、夏休み中はなかなかPCの前に座れず記事の更新が滞っておりました・・・。

今日は終戦記念日。湾岸戦争が起きた時にスズキさんが描いたというこの絵本を平和への願いをこめて、紹介します。

サルビルサ Book サルビルサ

著者:スズキ コージ
販売元:架空社
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            (ほるぷ出版1991年刊の再刊)

騎兵が獲物を「モジモジモジ」と追っかけると、反対側からも敵が獲物を追いかけ「ジモジモジモ」とやって来ます。2本の槍が同時に獲物を倒し「サルビ」「ビルサ」とそれぞれ自分の獲物だと主張するのですが、埒が明かず撤退。2人がそれぞれの王に「ズナカサルビビレモジ」「ジモレビビルサカナズ」と報告したことから、獲物を巡って2軍の壮烈な戦いが始まり・・・・。

小さな争いが大きな争いになり、結果は・・・。争うことのばかばかしさをエネルギッシュな絵で表現されています。絵も強烈なのですが、ことばもまた強烈です。絵本からサルビルサ語とでもいうのか、意味不明のカタカナが、勢いよく飛び出してきます(普通の文は一切なし)。そして、このサルビルサ語はお気づきかと思いますが、2軍の間で回文となっているのです。これが言葉遊びが大好きな子供にはとてもウケルんですよね。最初は子どもには戦争を描いた絵本とイメージするところまでは行かないと思うのですが、この絵本を繰り返し読んで「サルビ!」「ビルサ!」と遊んでいるうちに、子どもにもスズキさんからのメッセージが届いていくのではないかと思うのです・・・。

ところで、このところ戦争を描いたドラマやドキュメンタリー番組が放送されていたので、いくつかを見ました。中でも衝撃を受けたのが、NHKスペシャル「鬼太郎が見た玉砕 ~水木しげるの戦争~」です。(番組HPへ。)士気高揚のため日本軍(つまり味方)によって自決させられたり、玉砕されたり・・・、なんて理不尽な死に方を多くの兵士がさせられていたのかと愕然としました。いったん戦争になってしまえば、NOとは言えず味方にも追い込まれてしまう怖さを改めて感じました(国内における非国民ということばも怖いです)。理不尽な死に方をし、戦後62年経っても遺骨さえ収集されることもなく眠っておられる多くの方々を思うとやりきれない思いがします・・・。戦争はイヤです。NO WAR!

今までに紹介した戦争を伝える・平和を考える絵本のカテゴリーはこちら。よかったらご覧になってください。

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