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2009年2月19日 (木)

誰のための学校での読み聞かせ? 

なかなかブログを書くモードにならなくて久しぶりの更新となってしまいました。

(その間・・・確か13日だったかな?にブログのアクセス数が70,000を超えました。カウンターは目安というかこのブログの管理ページでのアクセス数とはまたかなり違うのでよくわかりませんが、やっぱり訪問数が増えていくのは励みになるというか嬉しいです。ありがとうございます。)

久々に何を書こうかと思ったのですが、このブログには学校での読み聞かせの本を探すために訪問してくださる方も多いので、ずっと気になりつつも書きそびれていた1年前の出来事を書くことにします。

去年の2月末か3月始めのこと。その日は6年生にとって、朝読の時間にある小学校最後の読み聞かせボランティア(児童の母親)による読み聞かせの日だったようですが、次男(当時小6)が帰宅早々、今日の読み聞かせは大型絵本による『ぐりとぐら』だったと憤慨しながら報告してくれました。

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(大型絵本は学校所蔵のものか記憶が定かでないのですが、大きくて見やすくて読み聞かせにはいい反面、8,000円以上もするため購入すると使わないともったいないというような事情も出てくるようです。)


常々、読み聞かせボランティアのお母さんたちが読んでくれる本には、不満でもっと高学年向けの本を読んでほしいといっていた次男なのですが、最後が『ぐりとぐら』で、ちょっとショックだったみたいでした・・・。

とはいえこれには訳があるようで、読み聞かせのあとでお母さんたち手作りのカップケーキが配られたのだそうです。ボランティアの方の中にお菓子作りの得意な方がいるようで、何か子どもたちにお菓子をプレゼントしたいということがあって、大きなカステラが出てくる『ぐりとぐら』の読み聞かせになったのではないかとわたしは推測したのですが・・・、でもこれって本末転倒というか、何のために学校でボランティアが読み聞かせをしているのだろう?って考えてしまいました。

子どもたちの数だけカップケーキを焼くのは大変だったろうし、そのことは次男もわかっていてありがたい事だとおいしくいただいたようですが、6年生に『ぐりとぐら』を教室で読むということは、やっぱり選書としては問題ありではないかと思います。

もちろん、小さい頃に親しんだ絵本を懐かしいという気持ちで聞いていた子もいたかもしれませんが、聞きたくなくても逃れられない教室で幼児向け絵本を読み聞かせされるなんて、納得いかない思いで聞いていた子もたくさんいたと思うのです。

そもそも何のための教室での読み聞かせなのか? 読書推進のため? あるいは子どもを楽しい気持ちにするため? どちらもありだと思いますが、このときの読み聞かせはボランティア側の自己満足のためだったような気がしてなりません。カップケーキをプレゼントすることがメインで、読み聞かせがおまけだったような・・・。

学校での読み聞かせがここ数年で急に盛んになり、読み聞かせボランティアの質の低さがいわれたりしていますが、皆さんは6年生に『ぐりとぐら』を読み聞かせるってどう思われますか? 

1年も前のことをあえて今頃になっても敢えて書いたのは、これほど極端な例でなくても似たような読み手側の自己満足的な読み聞かせは今もあちこちで行われているのではないかと思うことと、子どもの本に関心ある方にこの記事を読んで学校での読み聞かせに関して少し考えていただけたら・・・と思うからです。

以前、児童文学者の斉藤惇夫氏は講演で「こどものためにどんな本を選び、読んであげるかということは、結局絵本や物語を伝える側の人間としての豊かさの問題」だといわれていました。(斉藤敦夫氏講演会の過去記事へ。)

10分ほどの時間で高学年向けの本を読むこと自体無理があるし、高学年ともなればすごい読書家の子もいるので(全く本を読まないような子もいますが)、絵本を読み聞かせることが必要なことなのかどうかも疑問(高学年ともなればブックトークなどでお薦めの本を紹介する方がよいのかも)ですが、ボランティアは常にたくさんの子供の本を読み、読み聞かせの選書はじっくりしっかりとしてほしいなと思います。

なんだかエラそうなことを書いてしまいましたが・・・、学校での読み聞かせの時間は、読み手にとっても聞いている子供たちにとっても、有意義で幸せな時間であってほしいと思います。

★05年10月に聴いた赤木かん子氏の講演会の記事を先日このブログに載せました。読み聞かせボランティアをしている方には読んで参考にしていただければ幸いです。記事へ

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コメント

小学校最後の読み聞かせに「ぐりとぐら」は、
ないですよね…。絶句。
読み聞かせ=絵本と必ずしも思わなくていいのに。
旅立ちにふさわしい詩を何篇か読むのもいいのに。
…選書・スタンス、いろいろ考えてのぞまなければ、
ともすると「ありがた迷惑」な時間になりますよね。
あれこれ考えさせられました。応援クリックしていきます。

投稿: なずな | 2009年2月20日 (金) 17時37分

なずなさん、応援クリックありがとうございます!
小学校の読み聞かせボランティアの問題点は以前から感じていたのですが、この件は私にも衝撃で・・・、でもすぐに書くと怒りモードにあふれる記事になりそうで(^^ゞ もう少し立ったら書こうと思っているうちに1年経ってしまいました。

>読み聞かせ=絵本と必ずしも思わなくていいのに。
>旅立ちにふさわしい詩を何篇か読むのもいいのに。
まさに同感です。

斉藤惇夫さんが以前に、”子供が聞いてくれるボランティアをしてくれている読み聞かせ”もあることも嘆かれていましたが、このときの読み聞かせはまさにそうだったのではないかと思います。

でも、その人が良かれと思って選んだ絵本にケチをつけるというのはなかなか難しいことです。その人は問題があるとは思ってもいないことですから、説明してもなかなかわかってもらえずわだかまりだけ残るような・・・。多くの読み聞かせボランティアグループの抱える問題点ではないかと思います。
講演会など聞きにいったり自分で本を読んだり読み聞かせに関して勉強を重ねていく人と、そうでない人とが学校という同じ場所で読むのは難しいです・・・。

投稿: めーべる | 2009年2月21日 (土) 16時47分

こんばんは。
4月に次女が入学したら、小学校の読み聞かせに参加しようかどうか考え中だったので、興味深く読ませていただきました。
その時のシチュエーションにもよりますが、「カップケーキ」=「ぐりとぐら」は安易だったかもしれませんね。
幼稚園の読み聞かせでも、メンバーのモチベーションの違いを感じましたが、小学校での読み聞かせはもっと選書が難しそう。
うちの子供の小学校での読み聞かせは、参加している方に聞いたところ、学年にあった絵本かどうか先生のチェックが入るそうで、読む本を指定されることもあるようです。
それもちょっとなーと、二の足を踏んでしまっています。

投稿: ちゃちゃまる | 2009年2月22日 (日) 20時41分

ちゃちゃまるさん、こんにちは。
この記事は極端な例かもしれませんが、学校側が読み聞かせボランティアに何を求めているのかもはっきりしないまま、ブームに乗ってボランティアを募集してなんとなく活動してもらっているというところに、まず問題があるのかも。
ボランティア側も、何のための活動なのか目的がはっきりさせないままで、どんな本を読むかも読み手にまかせっきりで、他の人が他の教室でどんな本を読んでいるかもわからないといった状況・・・というのも多そうな気がします。

>学年にあった絵本かどうか先生のチェックが入るそうで、読む本を指定されることもあるようです。
これはこれで、自分の感覚にあわない本を読まざるを得ないこともありそうで、ためらっちゃいますよね。

でも、学校は校長が変わればいろんなことも変わるし、教師も毎年異動していくので、いつもこういう状況とも限らないと思います。
私は問題点ばかりを書いてしまったかとは思いますが、
次女ちゃんの入学を機に、読み聞かせボランティアをしてみようかと思われているなら、普段の学校の様子が見られるから・・・くらいの気持ちで始めてみられるのもいいのではないでしょうか。
ちゃちゃまるさんのように、幼稚園での経験がある方が入ってくると、また変わっていくと思います。
6年あるのでじっくりと少しずつ実りある読み聞かせ活動に変えていければ、素敵じゃないですか(*^。^*)


投稿: めーべる | 2009年2月23日 (月) 12時41分

私も、2年前から、娘の通う小学校へ、読み聞かせをさせていただいております。・・・選書!難しいですよね。我が子・長男がうまれてから就寝前は毎晩のように絵本を読み続けてきたけれど、膨大な本の中から、これは!という本に巡り合う時ばかりではありませんでした。名だたる方の読み聞かせボランティア養成講座を受けても、セミプロという意識、押し付けにならない立場、、教えられた今でも、これでよい!と思った事はありません。本当に難しい!!ぐりとぐらを選んだ方の気持ちを聞けば、、それは間違ってますよ!と言い返せはしないと思います。おそらく、悪気はなく、考え過ぎた?だけかもしれませんね。聞いていたお子さんたち、全員が、このお子さんと同じ受け止め方をしたかは不明ですよね。もちろん、私がぐりとぐらを選んだ者だとしたら、この意見は真摯に受け止めたいと思いますが。。こういった場所で言うより、直接、読み聞かせの方に、意見として伝えた方が、このお子さんの為にもなるかと思います。非難するのは、たやすい事だから。

投稿: | 2009年4月20日 (月) 23時06分

コメントが遅くなってしまい申し訳ありません。

お名前がないのでわかりませんが、はじめまして・・・ですよね?
抜け落ちてしまっただけなのかもしれませんが、ネット上のこととはいえ、ハンドルネームでいいのでお名前は書いていただきたいです。(なんと呼びかけていいのか、書きにくいです。)

読み手と聞き手がそれぞれ違うので、どの選書が常に正しいということはないのかもしれません。
でも、年齢に合わない本を読むと馬鹿にされると感じる子がいるので年齢に合った本を読むようにと読み聞かせ講座では習いました。そういう風に感じてしまう子がいたら、その読み手の人だけでなく、読み聞かせボランティアへの不信感に繋がるのでやっぱりその選書はまずいのではないかと思います。

わたしが1年も経ってからあえてこの記事を書いたのは、非難したかったのではなく、この記事を読んだ人に選書について考えるきっかけになれば・・・と思ったからです。ボランティアの方と面識もありませんし、学校もトラブルは好まないでしょうし・・・。
現に多くの方に講演会報告の記事と共に読んでいただいているようで、記事にした意味はあったと思っています。

投稿: めーべる | 2009年4月25日 (土) 15時54分

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