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2007年6月13日 (水)

『ぼくがうまれた音』

久しぶりに魂を揺さぶられるような絵本に出合いました。世界を舞台に活躍しているジャズ・トランペッター近藤等則(としのり)さんの絵本です。

ぼくがうまれた音 Book ぼくがうまれた音

著者:近藤 等則  智内兄助
販売元:福音館書店
Amazon.co.jpで詳細を確認する

近藤等則さんといえば、思い出すのがNHKの金曜時代劇『腕におぼえあり』でのあの斬新なテーマミュージックです。砂漠で演奏された(「地球を吹く」シリーズ)り、イラストレーターとライブ・ペインティングをされたり・・・と常に新しいことに挑戦されているようなミュージシャンですが、絵本が出版(07年3月)される少し前にそのことが朝日新聞ひと欄で取り上げられているのを読んだ時は、ちょっとビックリしました。4月10日のNHK「わくわくラジオ」で近藤さんがこの絵本への思いを語られているのを聴き、読みたいという思いを強くしていたのですが、図書館からようやく借りることができました。

近藤さん(1948年生まれ)が絵本を書くことになったのは、03年にある編集者の集まりに出たら、音にまつわる絵本を書かないかと言われた事が始まりだそうです。しばらく考えていたら、小さいころの自分の周りにあった、潮の音、お父さんの鍛冶屋の音など自然や生活の音が蘇ってきたそうです。近藤さんのいちばん最初の記憶は、1歳半(!)の時、夜泣きがうるさいとお父さんに言われ、お母さんが近藤さんを連れて海辺に出たときのことで、星空の美しさに圧倒され泣くのをやめたのだそうです。このときの空と海の大合唱は「キラキラ キュキュン シャシャンシャン ルールー ラーラー アアッ アー」と描写されています。ご自身が小さいころ体験された様々な音のシーンが見開きページごとに描かれているのですが、ミュージシャンならではの豊かな音の表現は、そのシーンが次々と感覚として伝わってきます。

近藤さんは、ラジオの中で「自分たちが子供のころは自然や生活の音があふれていたけれど、今は情報の音ばかり。想像力こそ、命のもうひとつの糧。この絵本をたくさんの子供に読んでもらって、想像力を膨らませてほしい」というようなことを語られていました。

そして、この近藤さんのことばの世界を絵で表現されたのが、近藤さんと中学・高校の同級生で、(わたしは存じませんでしたが^_^;)こちらも世界的に活躍されている画家・智内兄助(ちないきょうすけ)さん。近藤さんと同じ場所で同じ時間を過ごした方に絵を描いてほしいという編集者の狙いは大成功だったと思います。智内さんも子供のころを思い出しながら、楽しみながら描いたというのが伝わってくるエネルギッシュな絵です。最後まで読んでもまた最初に戻って読みたくなる、繰り返し眺めていたくなる、とてもインパクトのある絵本です。

絵本の具体的な内容は福音館書店のページでご覧ください。中身も一部ご覧になれますよ。

近藤さんは、05年広島・長崎原爆投下60周年に黒田征太郎氏らとともに「PIKADON project」をスタートされ、こんなCD絵本も出版されています。

ふたつの黒い雨 Book ふたつの黒い雨

著者:佐原 一哉,近藤 等則,黒田 征太郎,PIKADON PROJECT事務局
販売元:アートン
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コメント

めーべるさん、はじめまして。
『ぼくがうまれた音』というタイトルにヒットして訪問させていただきました。
すると偶然ですが僕のブログと同じテンプレートを使われていたのでびっくりです。

『ぼくがうまれた音』、僕が今いちばん興味を寄せている本です。というのも先日、智内兄助さんの展覧会を見に行きまして、初めて知った智内さんの絵から大きなインパクトを受けました。そして智内さんが挿絵を担当した近藤等則さんの絵本が出版されたってことを知り、是非、読んでみたい、見てみたいと思ったのです。

僕は近藤さんや智内さんと同郷の出身で、お二人は僕の高校の先輩になるってこともあり、なんだかとても身近に感じるとともに、お二人のコラボは絶対に見逃せないぞって思っています。

めーべるさんの感想を読ませていただくと、とてもインパクトのある素敵な絵本のようなのでますます楽しみです!今度の週末には書店へGOです。

では。

投稿: ハートフィールド | 2007年6月13日 (水) 23時28分

ハートフィールドさん、はじめまして&ようこそ!
智内さんの記事拝見しました。
ほーんと、同じテンプレート(^。^)

わたしはこの絵本で初めて智内さんの絵を見たのですが、もう圧倒されちゃいました。
この絵本も、ハートフィールドさんの記事にあったように
>和紙にアクリル絵具で描くという新しい手法
で描かれているのかな?
コラージュもあるし、布に描いたのもあるし、日本画的なのもあれば仏教画的なのもあるし、昭和のレトロな雰囲気漂うものもあるし、ページをめくると全く違う世界になっていたりするので、とても惹き付けられます。

ハートフィールドさんもぜひお二人のコラボを楽しんでくださいね。
わたしも機会があれば、智内さんの生の絵を見てみたいです。


投稿: めーべる | 2007年6月14日 (木) 11時27分

この本の作者、画家ともに初めて知りました。
ジャズトランペット奏者では有名な方のようですね。(まったく疎いもので(^^ゞ(恥))

近藤氏の「想像力こそ命のもうひとつの糧」という言葉に共感しました。音を大切にし、音から多くのことを想像して聴衆にメッセージを届けておられるトランペッターだからでしょうか、言葉に重みがありますね。
絵も強烈なインパクトがありますね。ぜひ読んでみたいとおもいます。

投稿: まつりか | 2007年6月14日 (木) 22時19分

まつりかさん、こんばんは。
しばらく更新していなかったのに、忘れずに訪問してくださって嬉しいです。

近藤さんも『もけらもけら』などの絵本を書かれている山下洋輔(ピアノ)さんもフリージャズ奏者というところが面白いです。(なんて書くとジャズに詳しいようですが、なんとなく知っている程度ですよ^_^;)
相手がやることに瞬時に反応して演奏するフリージャズだからこそ、より音やことばに敏感なのかもしれませんね。
絵もホント強烈で、一度見たら忘れられない絵本だと思います。
子供が小さければ、読み聞かせをして反応を楽しめるのになあ・・・と残念に思うくらいインパクトのある絵本です。
読まれたら、ヒメギミの反応などぜひブログに載せてくださいね。

投稿: めーべる | 2007年6月14日 (木) 23時29分

めーべるさん、こんにちは。

『ぼくがうまれた音』、書店を何軒かさがし、やっと見つけました。

期待していたとおり、近藤等則さんの文、智内兄助さんの絵、どちらも素敵な魅力にあふれた素晴らしい絵本です。

時代がどんなに変わっても、どれだけ歳を重ねていっても、僕たちが決して失ってはいけないもの、そんなピュアであたたかいものに触れることができたような気がします。

投稿: ハートフィールド | 2007年6月17日 (日) 18時13分

ハートフィールドさん、こんばんは。
書店を数件回られたんですね!
期待通りの絵本だったようでよかったです(^。^)
おとなにもこどもにも
この温かな空間と時間を感じてほしいですよね~。


投稿: めーべる | 2007年6月18日 (月) 20時26分

めーべるさん、こんばんは~
ちょっとご無沙汰してしまいました。

魂を揺さぶられるような絵本…
とても興味深いです!!
今の子どもたちに必要なのは、「想像力(創造力)」だな…って、塾の子どもたちを見ていると常々感じます。
早速、図書館に行って予約してこようと思います~♪

それから、報告遅くなりましたが、「時計つくりのジョニー」無事読み聞かせしてきました。(18分掛かったのでこれ1冊にしました。)
3~6年生の子どもたちが、じっくりと聞いてくれましたよ(*^_^*)

投稿: はっぴぃマザー | 2007年6月24日 (日) 22時38分

はっぴぃマザーさん、こんばんは。
>魂を揺さぶられるような絵本…
ちょっと大げさだったかもしれません(^^ゞ
でも繰り返し眺めていたくなるすばらしい絵本です。
子供たちにもきっといろいろ感じる絵本だと思います。
ぜひ読んでみてくださいね。

>「時計つくりのジョニー」
18分もの読み聞かせ、すごいです~。
読み手も聞き手もひとつになったという感じでしょうか。
嬉しくなるご報告ありがとうございました(^。^)

投稿: めーべる | 2007年6月24日 (日) 23時55分

めーべるさん、こんばんは~

先週の木・金に読み聞かせをしました~♪
木曜は、比較的黙って聞く子が多いので反応のなさに拍子抜けしたのですが、面白かったのが金曜の子ども達。
いつもは、絵本に集中出来ず、おしゃべりを始めたりそっぽ向いたりする子達が、1ページ、1ページの絵に凄い反応を示していました。
「コワ~イ」「キモ~イ」と言いながら、次にどんな絵が出てくるのかワクワク・ドキドキしている感じでした。
私が発する色々な音の部分も、照れながら口まねしていました。
思い切って読み聞かせをして本当に良かったです(^_^)v

これからも、素晴らしい絵本の紹介楽しみにしています~♪ボチッ♪

投稿: はっぴぃマザー | 2007年8月19日 (日) 22時22分

はっぴぃマザーさん、こんばんは。
応援クリックありがとうございます!

読み聞かせのご報告、ありがとうございます。
子どもたちによってずいぶん反応が違ったのですね(^^)
金曜日の子供さんたちの心には、間違いなく「音」が響いたのでしょうね。
作者にもきっと嬉しい反応だと思いますが、わたしも記事を描いた甲斐がありました(*^。^*)

投稿: めーべる | 2007年8月19日 (日) 23時24分

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