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2007年3月 1日 (木)

『ここが家だ ベン・シャーンの第五福竜丸』

1954年3月1日、太平洋のビキニ環礁でアメリカが実施した水爆実験で、マグロ漁操業中の第五福竜丸が「死の灰」を浴び、無線長の久保山愛吉さんがその年の9月にお亡くなりになりました。この事件を取り上げ、半年前に出版されたばかりの絵本を紹介します。

ここが家だ―ベン・シャーンの第五福竜丸 Book ここが家だ―ベン・シャーンの第五福竜丸

著者:ベン シャーン,アーサー ビナード
販売元:集英社
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リトアニア生まれで20世紀のアメリカを代表する画家であるベン・シャーン氏が第5福竜丸の事件を知ったのは、1957年。1960年に来日し、Lucky Dragon(福竜) Seriesの連作を久保山さんを主人公に描きました。

そして、アメリカ生まれの日本語詩人アーサー・ビナード氏が、半世紀近くたって、ベン・シャーンのこの連作の絵に文章を書き、絵本に仕上げました。

力強く、反原水爆を訴えてくる絵です。文章です。「第五福竜丸の事件を忘れないで・・・」祈りのようなメッセージが強く伝わってきます。小学生から大人まで皆さんに読んでほしい絵本です。

強く心に響いたところを引用させてもらいます。

「久保山さんのことを わすれない」 と 

ひとびとは いった。 

けれど わすれるのを じっと 

まっている ひとたちもいる。 

(中略) 

わすれたころに 

またドドドーン! 

みんなの 家に 放射能の 雨がふる

どうして わすれられようか。

畑は おぼえている。

波もうちよせて おぼえている。

ひとびとも

わすれやしない。    (斜体青字 引用部分)

ところで、今回、この絵本を読んでショックだったのは、水爆実験に遭遇し、知ってはいけない事実を知ってしまった第五福竜丸は、久保山さんの機転(助けを求める無線を傍受されてはいけないので、一切助けを求めず自力で2週間かけ焼津に帰港したこと)がなければ、消されていた(撃沈されていた)かもしれないということです・・・。小さいころからビキニ事件を知っていたので、そこまで考えることはありませんでした。この第五福竜丸の機転の効いた勇気ある行動が、世界的な原水爆禁止運動への始まりとなったのだそうです。

追記:06年10月17日にasahi.comに米画家のよる核批判の絵本 米詩人が日本語をつけ出版というこの絵本に関する記事が出ていました。90年に来日したあとこの第五福竜丸の事件を知ったビナード氏は23人の帰還が不思議でならず、この事件について調べ始め、この絵本の出版へと繋がったようです。asahi.comの記事もぜひお読みください。

(この絵本の本文の漢字には全てふりがながついていますが、事件について予備知識のない子供さんが読んでもピンと来ないかとも思います。親子でいっしょにぜひ読んでほしいと思います。)

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